マンションQ&A

大規模修繕工事の取り組み方は

 マンションの大規模修繕工事は、多額の費用及び時間と労力を必要とする、管理組合の一大事業となります。マンションの規模によって違いますが、管理組合が主体的に取り組むとしたら準備から工事完了まで、おおよそ3年~5年を必要とします。準備段階としては、大規模修繕工事の内容などを検討する専門委員会(修繕委員会)を設置します。

解説

 管理組合の活動で、大きな柱になるのが建物を維持管理していくことです。劣化の状況に応じて適切な時期に修繕を行わないと、劣化は進み、住まいとしての快適性も資産としての価値も低くなってしまいます。さらに、傷みが現れるまで放置していると、修繕時期を逃し、早くに補修すれば安くできる工事も、時期が遅れて費用が高くなった事例もあります。大規模修繕工事は、マンション管理の業務の一つとして管理組合を主として行われるべきものです。

ポイント

1  修繕委員会の役割と人選

 大規模修繕工事の計画から工事終了まで、修繕委員会の設置が必要となります。理事が兼ねることも可能ですが、役員交替の任期の問題や通常の管理業務に支障が出た場合に、負担が大きくなってしまいます。修繕委員会は、理事会から意見を受け、修繕工事の内容や資金計画、修繕工事を発注する請負会社の選択など、工事に関する準備・検討の役割を持つ機関であります。そして修繕委員会の構成メンバーは、各階からできるだけ均等に入ってもらい、男性だけに偏らないように女性も含めた居住者の仲から選び、理事会と協力しながら大規模修繕工事を進めていきます。  専門知識については、外部の専門家からアドバイスを受けることができるので、管理組合の修繕委員が必ずしも専門家である必要はありません。

2  修繕委員会の主な業務内容

      長期修繕計画の策定及び見直し。

      マンション住民へのアンケート調査等で要望をまとめること。

      建物及び設備の修繕・改良箇所の選定と優先順位に関わる助言。

      大規模修繕工事実施計画案の資料作成に関すること。

      コンサルタント(1級建築士等)・施工業者の選定に関すること。

      工事中の現場代理人のなどとの打ち合わせ、監理、広報などに関すること。

      瑕疵補修工事及びアフター点検の確認、交渉等に関わること。

      その他、理事会からの諮問事項の助言。

3  マンション共用部分で発見したら要注意なこと

・ 壁や床のあちこちに、ひび割れが目立つようになった。 ・ 手が壁に触れたときに、塗料が手についている。 ・ 塗装も所々剥がれている。 ・ タイルや壁に白い粉がふいている。 ・ 壁面タイルが落下している。 ・ コンクリートの塊が落ちてきた。 ・ 雨が降ると水漏れが起きる。 ・ 朝、時々水道から赤い水が出てくる。

4  修繕工事だけでなく改良工事(グレードアップ)も取り入れる

 マンションにとっての大規模修繕工事は、原状を回復のための修繕だけではなく、さらにグレードアップする改良工事も考えて検討します。改良工事として、高齢化に伴うバリアフリー化、安全で安心な住環境を確保するためのセキュリティの強化、インターネットの高速化に対応した改善は、マンション居住者のニーズも高く、利便性や資産価値の向上にもつながります。

5  居住者間のコミュニティ形成

 2004年に改正された標準管理規約第32条第15項「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が、新たに管理組合の業務に追加されました。また、同管理規約第27条関係のコメントによると「コミュニティ形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであり、マンションの適正管理を主体的に実施する管理組合にとって、必要な業務である。」と記されています。よって大規模修繕工事は、居住者間のコミュニティ形成づくりにも役立つと考えられています。

6  プロセス(手順)を踏んで合意形成をはかりながら進める

 公平・公正・公開の原則を基本に、情報の開示と透明性を保ち、プロセス(手順)を踏んで大規模修繕工事を進めることが求められています。管理組合が必要に応じて総会を開き、区分所有者や管理規約によって、適切な手順で区分所有者の合意形成を求めていくことを忘れてはいけません。

7  パートナー(専門家等)の選定

 大規模修繕工事では、どのような工事方式を選ぶかで、工事の内容や請負業者選定、竣工後のアフターサービス(保証期間)が違ってきます。 例えば、コンサルタント(1級建築士等)を活用した「設計監理方式」は、設計監理と竣工が分離され、仕様書の作成、請負業者選定の助言、現場監理から完成後の点検等すべての段階において第3者によるチェックがなされることで、一定の品質が期待できます。  「責任施工方式」は準備段階で、調査・診断を含めて複数の業者に工事の具体内容を提案してもらい、後に1社選ぶものです。請負業者がハード(施工)とソフト(計画・設計・監理)の両方を担当する方式です。

8  請負業者の決定から、工事に関わる一連の業務

 マンションの大規模修繕工事を施工する請負業者が決まったら、監理組合の総会で承認のあと、請負契約を交わし、マンション住民への工事説明会の開催、その後工事が始まったら、打ち合わせの会合(工程会議)で工事の進み具合の確認、工事が完了したら管理組合の検査、竣工図書の引き渡し、長期修繕計画の見直し、工事終了後の1年点検など、関係する作業がたくさん残ります。

9  過去の修繕工事等は、履歴情報として保管する

 マンションを計画的に管理するうえで非常に重要になる資料が修繕履歴情報です。「大規模修繕工事をどのように進めていったのか」「理事会や修繕委員会はどういう役割分担をしていたのか」「請負業者は、どのような敬意で決定したのか」「費用はいくらかかったのか」等々の記録を残すことは、次の大規模修繕工事を計画する時、非常に役立つ情報になります。また、通常のマンション設備等の点検記録や過去の修繕記録も履歴情報として残し、閲覧できるよう保管していくことが、マンションの適正な管理につながります。

チェックポイント  予防保全で取り組む大規模修繕工事

 近年、建築物の管理不備による大きな事故や事件が社会的注目を浴びています。  建物や設備等の維持管理を業者に任せっぱなしにして、所有者が無関心だったのが大きな原因の一つだと考えられています。  こういう事態を避けるための最善の対策として、早めに手をうって故障等を未然に防止する予防保全が大切であると理解され始めています。  予防保全は事後保全のように、一時的に多額の費用を必要としません。マンションの大規模修繕工事を事後保全として行うのではなく、予防保全によって行いましょう。

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ご挨拶

代表取締役 柳田基浩

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