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1.マンションの現状及び課題

(1)マンションストックの状況

国土交通省の推計によると、大都市部を中心に毎年約20万戸のペースで

マンションの供給が続いており、平成19年末時点のストック総数は約528万戸、

約1,300万人の人々が居住している。

 

その中で、築30年を越えるストックは約63万戸、新耐震基準策定(昭和56年)以前に

供給されたストックは約106万戸にのぼっており、

今後は、こう した建築後相当の年数を経たマンションがさらに増加していくと見込まれる。

 

建築後相当の年数を経たマンションには、様々な問題が存在する。

 

平成15年 住宅・土地統計調査のデータをもとに国土交通省が再集計したところによると、

昭和45年以前に建設されたマンションでは、延べ床面積が50㎡未満のものが

36%を占めるなど、住戸面積が狭いものが多い。

また、エレベーター未設置等 バリアフリー未対応のものが多く、

昭和45年以前に建設された中層マンション (4・5階建)のエレベーター設置率は、

6%にとどまっている。

 

 

このように、 現在の居住者ニーズを満たしていない老朽マンションが存在するという

問題があるだけでなく、建物の劣化に対応するための大規模修繕や改修など、

管理組合として取り組むべき問題が増える傾向にある。

(2)居住者の状況

平成15年度マンション総合調査によると、

マンションの世帯主の高齢化が進行しており、

昭和55年時点で7.9%に過ぎなかった60歳以上の世帯主のマンションの割合は、

平成15年時点では31.7%になっている。

 

 

こうした変化を背景に、マンションへの永住意識は、昭和55年時点では

22.5%に過ぎな かったが、平成15年時点では48.0%にまで高まっている。

また、賃貸化率 の高いマンションも増加しており、平成15年時点で、賃貸化率が20%を超える

マンション管理組合は、27.8%にのぼる。

 

さらに、管理組合運営における将来への不安として、

「管理組合活動に無関心な区分所有者の増加」 を挙げる管理組合が4割を超えており、

こうした高齢化、賃貸化、無関心化等は、管理組合の 役員の成り手不足、

管理組合活動の停滞、管理上生じる問題への対応力不足を招き、

マンションの適正な維持管理に支障をきたすおそれがある。

 

平成19年度の 国土交通省の調査によると、区分所有者が無関心で理事会も総会も開かれず、

修 繕積立金がほとんどなく滞納金も長期にわたり放置されているなど、

実際に、管理組合が機能していない事例も見受けられるところである。

 

 

老朽マンションにおいては、居住者の高齢化等の問題がより進行している。

平成15年住宅・土地統計調査のデータをもとに国土交通省が再集計したところに よると、

平成15年時点で「60歳以上のみ」の世帯の割合が、全マンションの 平均16.7%に対して、

昭和45年以前に建設されたマンションでは、平均3 9.4%となっており、

居住者の高齢化が進 行しているだけでなく、 「一般借家」 世帯の比率が1割を超えるものが

全マンションの6%に対して、昭和45年以前 に建設されたマンションでは11%と、

賃貸化も進行している。こうした老朽マ ンションの現状から、管理組合の役員の成り手不足、

ひいては管理の空洞化が懸 念される。

(3)管理等の状況

1. 管理主体等

マンションの管理等の主体は、マンションの 区分所有者等から構成される管理組合であり、

これまで、この管理組合を中心としたマンションの管理等が行われてきた。

このような管理組合においては、複数が連携し、知識や情報を共有し、

管理の担い手やコミュニティを育んでいる事例も見られ、

自立的な運営に努められてきたところである。

 

 

しかし、マンションの管理等は、専門的な知識を要する事項が多いにもかかわらず、

管理組合を構成するマンションの区分所有者等は必ずしも管理等に関する

専門知識を持ち合わせているとは限らない。

このことは、管理組合によるマンションの管理等に当たって生じる、

専門的事項への対応力不足の懸念要因となる。

 

管理組合や区分所有者等の相談に応じて助言、

指導をすべきマンション管理士 の登録数は、平成19年度末時点で15,661人にのぼり、

個別のマンション管理組合との顧問契約、相談会やセミナーを通じたサポート等、

多様な活動を行っているところである。

 

 

平成15年度のマンション総合調査によると、区分所有者である理事長が管理等の

中心的主体となる管理者となっている管理組合が87.0%にのぼり、

管理 業者が管理者となっている管理組合は4.9%に過ぎない。

 

一方で、平成20年度の社団法人高層住宅管理業協会の調査によると、

約9割の管理組合が管理業者と管理委託契約を締結し、

適正化法で定める管理事務を委託している。

 

したがって、マンションの管理の適正化を図る上で、

管理業者の果たす役割も重要なもの となっている。

 

ただし、平成15年度のマンション総合調査によると、

管理会社への委託に関する管理組合の意向では、

管理業者にすべて任せたほうがよいとする管理組合が1割に満たないのに対し、

管理業務を管理業者に委託しても、方針 は管理組合で決めるとしている管理組合が

8割強になっており、管理組合の自治意識や、

管理業者に対するチェック機能の意識がうかがえる。

2. 計画的な維持管理に対する取組み

マンションの快適な居住環境を確保し、

資産価値の維持 ・向上を図るためには、 適時適切な維持修繕を行うことが必要である。

 

実際の大規模修繕は、工事の種類にもよるが、約10~15年周期で実施しているものが多い。

 

こうしたマンショ ンの経年による劣化に対応するためには、

あらかじめ長期修繕計画を策定し、必要な修繕積立金を積み立てておくことが重要である。

平成15年度マンション総合調査によると、 83.0%の管理組合が

長期修繕計画を作成しており、長期修繕計画に基づいて修繕積立金額を

設定している管理組合は77.1%になっているが、

25年以上の計画期間をもつ長期修繕計画を 設定している管理組合の割合は

約20%にとどまっている。

 

 

長期修繕計画は、約半数の管理組合において管理業者が策定主体になっており、

長期修繕計画を作成している管理組合のうち、

管理組合が作成主体になっているものは20.5%に 過ぎない。

 

要因としては、適切な長期修繕計画の策定にあたっては、

専門的な知識や検討、調査・診断のための費用負担等が必要であり、

そのための管理組合内 の合意形成が容易でないことが挙げられる。

 

 

実際に徴収されている修繕積立金の戸当たり 平均額は、平成15年度マンショ ン総合調査によると、

平成15年時点で戸あたりの修繕積立金の額は9,066 円/月となっており、

管理組合あたりの平均積立額は、7,665.8万円となっているが、

同調査によると、実際に大規模修繕工事を行った管理組合のうち

27.8%が、工事費の一部又は全部を一時徴収金又は借入金等の修繕積立金以外の

資金調達手段により大規模修繕工事を行っており、必ずしも積立状況は十分ではない。

3.マンションの管理等をめぐる紛争

一つの建物を多くの人が区分して所有するマンションは、

各区分所有者等の共 同生活に対する意識の相違、

多様な価値観を持った区分所有者間の意思決定の難しさ、

利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、

建物構造上の技術的判断 の難しさといった特殊性があり、

それはマンションの管理等の現場における様々 な紛争を誘発している。

 

 

平成15年度のマンション総合調査によれば、

過去にト ラブルが発生していないとする管理組合は、約7%に過ぎず、

ほとんどのマンシ ョンは何らかのトラブルを抱えている。

 

マンションの管理等をめぐる紛争に関しては、

適正化法に基づきマンション管理適正化推進センターとして指定され、

相 談業務を行っている財団法人マンション管理センターに平成19年度に寄せられた

約9,000件の相談の中でも一定の割合を占め、

その内訳は、理事会・管理 組合の運営、区分所有法や標準管理規約の解釈、

管理費等の滞納、騒音やペット等の近隣紛争等、非常に多岐に渡る。

区分所有者や管理組合等の関係者にとって、 紛争処理への対応は大きな課題となっている。

 

 

特に、適時適切な維持修繕を実行するための長期修繕計画の実効性を確保するためには、

修繕内容及び資金計画を適正かつ明確に定め、

それらをマンションの 区分所有者等に充分周知させることが必要であるが、

実際には、平成15年度の マンション総合調査によれば、

滞納に関するトラブルが発生しているマンションの割合は41.4%、

3ヶ月以上の滞納が発生しているマンションは32.0%にのぼり、

多くのマンションにお ける深刻な問題になっている。

 

 

こうした紛争は、今後マンションストック数 の増加、建物の老朽化、

居住者の 高齢化、賃貸化の進行等を背景に、ますます増加し、それらをきっかけとして、

マンションの管理機能が低下していくことも懸念される。

4.多様なマンション形態の存在

一つの建物に多くの人々が居住するという形態の中でも、様々な形態が存在する。

団地型マンションは、 単棟型のマンションと異なり、 団地内の棟数、

建物規模、 構造の差異、分譲時期の差異等が、

維持管理上の条件に影響を及ぼすため、

長期 修繕計画や修繕積立金の設定に充分な考慮が必要となり、

そのための合意形成に 困難が伴う。

 

 

特に、団地型マンションは、高度経済成長期に大量供給されたものも多く、

老朽化が進んでいると考えられるため、そうしたストックを円滑に再生させていく必要がある。

 

超高層マンションは、ここ10年程度でその供給量が大幅に増えてきた

比較的新しい居住形態であり、現在のところ、老朽化が進んでいないが、

高機能の設備や共用のスペースが設けられていることが一般的で、

今後、大規模修繕等の時期 を必然的に迎えるものであることを踏まえると、

適切な維持管理が行われること が特に重要である。

(4)改修・建替えの状況

1.改修の現状

老朽マンションを中心として、現在の居住ニーズに見合うよう

マンションの性能をグレードアップさせるため、

マンションの改修の必要性が高まっているところである。

 

 

耐震性の確保やバリアフリー化等のニーズを背景に、

共用部分のグレードアップや耐震性能の向上、

防犯性能の向上、エレベーターの設置、情報通信設備の設置、

外断熱化等の改修工事を行った事例が報告されているが、

まだ改修が一般的に行われるような状況には至っていない。

 

 

改修工事を実施するに当たっての課題としては、事業費や検討費用の確保、

管理組合への知識・情報提供などが挙げられている。

 

耐震改修については、国庫補助制度が設けられているが、

耐震改修以外の改修 についてはこれまで補助制度がなく、

耐震改修に対する補助制度についても、

その活用は分譲・賃貸を含む共同住宅で2,000戸強にとどまっている状況である。

 

管理組合への知識・情報提供については、 国におけるマニュアルの整備のほか、

地方公共団体及び関係団体における相談窓口の設置や専門家の派遣等の取組みによって

対応しているところである。

 

これまでの改修事例をみると、

十分資金を確保できたマンションにおいては、 大規模修繕工事と併せて

さらにグレードアップを図る改修の実施まで行われてい るという状況がある一方、

修繕積立金だけでは資金が十分ではないことから、補助金や借入金などによって

資金調達を行っている状況も見受けられる。

2.建替えの現状

マンションの建替えに関しては、これまで、

平成20年10月時点で129件 (被災マンションは含まない。 ) の完了事例があるが、

老朽マンションのストック 全体の一部にとどまっている。

 

建替えの実施に関する課題としては、

現在のマンションが建築基準法上既存不適格であるという問題や、

検討費用の確保、修繕・改修又は建替えのいずれにするかの判断の難しさ、

高齢居住者や低所得者などの個別の事情への配慮が必要で あること等が挙げられている。

 

マンション建替えについては、優良建築物等整備事業において

マンション建替タイプの補助制度があるほか、融資、税制等の支援制度が整備され、

活用されて いるところである。

 

 

管理組合への知識・情報提供については、改修と同様、

国におけるマニュアルの整備のほか、地方公共団体及び関係団体における

相談窓口の設置や専門家の派遣等の取組みによって対応しているところである。

 

 

これまでの建替え事例をみると、都心や駅前 など、立地条件の良いマンション については、

事業協力者の協力によって建替え事業が進められているが、

郊外の マンションや建築規制の厳しいマンションでは、

事業協力者の協力が得られにくいため、建替えが進まない状況が見受けられる。

 

さらに、かつて供給された大規模な団地では、更新期を迎えているものの、

何棟もの敷地が共有状態となってい るため、建替えの実現が難しい状況が見受けられる。

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ご挨拶

代表取締役 柳田基浩

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