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3.今後のマンション政策における基本的な考え方

(1)住宅ストックとしてのマンションの重要性

我が国におけるマンションは、土地利用の高度化の進展に伴い、

都心居住という利便性や住空間の有効活用という機能性に対する

積極的な評価等もあり、国民の約1割が居住する

重要な住宅ストックとして位置づけられる状況にある。

 

近年は、単棟のマンションや団地型のマンションのほか、超高層マンションの出現等、

居住ニーズ等に対応した多様な形態のマンションも見られるところである。

また、マンションは、居住者にとっての生活基盤であるとともに、

地域にとってまちづくりやコミュニティ活動の拠点となる重要な社会基盤でもある。

良好なコミュニティが形成されていることは、マンションの管理等において重要であり、

地域における社会活動の持続や安全・安心な市街地の形成という観点からも重要となっている。

 

このように、マンションは、個人の私的生活の場に とどまらず、

活力・魅力ある地域社会を形成する上でも重要な要素であり、

このような社会的なストックとしての重要性からすれば、

マンションについては、日々の管理のみではなく、

改修・建替えといったマンションのライフサイクル全体をとらえ、

そのあるべき姿を念頭に置いて維持管理・再生をすることにより、

マンションが良質な住宅ストックとなるよう、マンション政策を実施していく必要がある。

(2)マンションの管理等に行政が政策的に関与することの意義

マンションの管理については、適正化法に基づき、

国が策定・公表した適正化指針において、

管理組合はこの指針の定めると ころに留意して

マンションを適正に管 理するよう努めなければならない等と示されている。

 

また、 適正化指針においては、 マンションの管理の主体は、

マンションの区分所有者等で構成される管理組合であ り、

管理組合は、 マンションの区分所有者等 の意見が十分に反映されるよう、

また、 長期的な見通しを持って、適正な運営を行う ことが重要であるとともに、

管理組合 を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を

十分認識 して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的 に参加する等、

その役割を適切に果た すよう努める必要がある旨も示されていると ころである。

 

このように、マンション の管理についての責任は、管理組合や区分所有者等にあるのは

当然であるが、これ に国等の行政が政策的に関与することには、

一定の意義があるものと考えられる。行政が関与する意義としては、

 

1)周辺環境への影響等の外部性の問題、

 

2)区分所有者間の合意形成等に係る取引費用の軽減の問題、

 

3)マンションの管理等に は専門的な知識が必要である

 

という問題といった3点が挙げられる。

 

1)周辺環境等の外部性の問題に対する関与の意義 マンションは、

 国民の約1割が居住する重要かつ普遍的な居住形態となっており、

 その適切な維持管理・再生が行われないと、マンションの居住者のみならず、

 周辺 の居住環境やコミュニティにも悪影響を及ぼす懸念がある。

 こうした外部性の問題を解決するためには、国及び地方公共団体の関与が必要である。

 

2)区分所有者間の合意形成等に係る

 取引費用の軽減の問題に対する関与の意義 一つの建物を、

 多様な価値観を持った多くの人々が区分して所有するがゆえの

 区分所有者間の意思決定の難しさ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ等

 といった区分所有形態の特殊性に対して、国の関与によって法令、

 指針等の制度面 での環境整備を通じて、情報の取得、合意形成・交渉及び

 管理等の実施に至るために費やす労力やコスト、いわゆる取引費用を 軽減することである。

 

 これまでも、マ ンションの管理等に関しては、

 区分所有法、適正化法等の諸法令、マンションの管 理に関する標準管理規約等、

 私法のみならず行政法においても合意形成に係る手続きに関する必要な制度等が定められ、

 これらを国及び地方公共団体が運用することによって、

 円滑なマンションの維持管理・再生が行われているところである。

 

3)マンションの管理等には専門的な知識が必要であるという問題に対する関与の意義

 通常、区分所有者等が管理組合を構成し、 マンションの管理等をしていることが 多いが、

 マンションの管理等には、建築、法令、会計等の専門的な知識を必要とすることが多く、

 多くの区分所有者にとって差 し迫った課題となっている。

 

この課題に対処するため、まず、適正化法において、

マンションの管理の適正化の推進を図 るため、

マンションの管理に関する資格制度の創設、 業規制の導入が行われており、

また、国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、

管理組合や区分所有者等の求めに応じ、必要な情報提供等の措置を

講ずるよう努めなければならない旨規定している。

 

その上で、国及び 地方公共団体においては、専門家によ る支援措置といった

管理組合や区分所有者等 に対しての情報提供等の支援、

啓発活 動等を行っているところである。 これらの行政の関与に当たっては、

国は全国規模で適用される法令や制度の創設、 運用指針等の策定などを行い、

地方公共団体は、地域の実情等の把握やこれに対応した

相談体制の充実等の施策の実施を行う等のそれぞれの役割を担うものと考えられる。

 

このように、マンションの管理等に対する国、地方公共団体の関与は

一定の意義があり、引き続き適正に行われるべきものである。

(3)マンションの管理等についての専門家による支援の重要性

マンションの管理等は、区分所有者等で構成される

管理組合が行うことが一般的であるが、専門的な知識を必要とすることが多く、

また、高齢化、賃貸化、管理への無関心化等の進展により、

区分所有者によ る管理等が十分に機能していない状況もみられるところである。

このため、マンションの管理等に対しては、マンション 管理士、

マンション管理業者等のマンション の管理等の専門家が積極的に区分所有者や

管理組合を支援していくこと が一層重要となっている。

 

また、区分所有者の主体性・自主性に基づく管理組合方式による

管理の適正化を 原則としつつ、区分所有者以外の専門家の関与等による

管理も選択肢の一つとして、 新たな仕組みや運用も必要となっている。

(4)老朽マンションの再生の重要性

今後老朽マンションの増加が見込まれるところであり、

その再生のための改修・ 建替え等の円滑化が重要となっている。

マンションの共用部分は居住者が安心して快適な生活を営む上で

不可欠な基盤となるものであるが、居住者の高齢化等に伴い、

通路、階段、エレベーター等の共用部分がバ リアフリー対応でない等

居住者のニー ズに適合しなくなるなどの状況が見受けられ、

旧耐震基準によって建設された耐震 性の低いマンションも多く存在する。

 

国においては、住宅の質の向上を図るため、

新耐震基準への適合や共同住宅ストックの共用部の

ユニ バーサルデザイン化等について住生活基本計画において数値目標を定めて

施策の推進を図っているところに当たっては、管理組合や区分所有者については、

資金面や専門的な知識等の面で 必ずしも十分ではない、

マンション内の多数の区分所有者の合意形成が必ずしも容易ではない等の状況が見受けられる。

 

このため、 資金面での支援措置の充実、 改修・ 建替え等のノウハウ等を有する

専門家等の関 与による事業の実施の推進、円滑な合意形成を可能とする

制度や運用等についての検討を行っていく必要がある。

 

また、 様々な支援制度が、管理組合や区分所有者等 にとって活用しやすいものとなるよう、

国、地方公共団体及び関係団体において、分 かりやすく制度を紹介するための

広報 活動や、相談体制の整備に積極的に取り組むことが必要である。

 

改修については、区分所有者の費用負担が問 題となるほか、

専有部分・共用部分の区分、専有部分の増改築や専有部分に影響が及ぶ

共用部分の改修を行う場合の合意形成等が問題となることがある。

 

また、建替えについては、事業を実現するまでに様々な手続が必要となり、

建築基準法上既 存不適格となっているマンションではマンション単体で

不適格状態を解消することは難しいなど、法制度上の問題で建替え実現に至らない場合や

円滑に進まない場合がある。

円滑化法制定から6年が経過 しているが、

建替え事例は多いとは言えず、 制度が十分浸透していない一方、

建替 え事業の実施には迅速な対応が求められる。

 

また、大規模な団地では合意形成が容易でないばかりか、

建替えを円滑に行うこと が難しい、仮住居の確保が難しいとい った問題がある。

 

このほか、管理組合や有識者等が指摘する多くの課題が存在する。

このように、マンションが区分所有建物であ るがゆえの問題が多く存在し、

合意 形成等に要するコストは相当程度掛かるものであるが、

このコストの低減等を図るという観点から、引き続き、

老朽マンションの再生に資する政策を行っていくことが重要である。

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ご挨拶

代表取締役 柳田基浩

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